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根管治療には様々な治療法や考え方があります。現在主流となっている治療法は、アメリカを中心としたアメリカンエンド、スウェーデンを中心とした北欧式エンドに分かれます。
治療方法に違いはありますが、治療のゴールは根管内の無菌化で共通しており、長期予後をみると北欧式根管治療が最も良いことが分かりました。
そのため当院の院長は、2013~2015年の2年間、スウェーデンイエテボリ大学の根管治療専門医である宮下裕志先生に師事し、北欧式根管治療を学びました。
神経にまで達した重度の虫歯は、抜歯をすれば痛みはすぐに治まります。ですが、だからといって大切な歯を簡単に抜歯するわけにはいきません。なぜなら、歯は1本でもなくなると見た目が悪くなるばかりか、残っている歯の歯並びも変化してしまうのです。ですから、根管治療は歯を残すことを目的とした治療といえます。
一般的にスウェーデンでは根管治療は次のようなステップで診断されます。
日本ではまったくこのようなことは配慮されていない場合が多いです。
まずは、病気があるのかどうか?そしてその程度はどうなのか?ということを過去の治療経験や痛みの経験を問診します。
特に痛みの問診は重要で、普通の歯科医院では、「痛いですか?」「どんなときに痛みますか?」くらいしか聞かれないでしょうが、もっと重要なことはその痛みのタイプです。
多くの場合では強い痛みがある場合に、歯髄(歯の中の神経や血管や細胞組織)を取る治療が行われていますが、これは決して正しい治療選択とは言えません。
特に患者様が「ずきずきするんです」とか言ってしまうと、「神経を取らないといけません」と言われるでしょう。
しかしながら、例えば、非常に強い痛みを訴えるケースでも、詰め物が取れて1週間くらい経ったような場合で、だんだん凍みて痛くなってきたような場合や、詰め物をしてもらってから痛くなってきた場合、とにかく最初は痛くなかったのに急に痛みが出てきたような症例は、まだ、大丈夫な場合が多いです。
痛みの程度により診断できますが、多くは診断ミスで歯髄が取られています。
すなわち、我慢できないような鋭い痛みである場合は、歯の表面に存在する神経線維(Aデルタ線維)が刺激を受けて、痛みが誘発されているので、表面を封鎖するだけで、症状が消えてゆくことが良くあります。
通常歯髄を取らないといけないような症例は、鈍い痛みを訴えている場合の方が多いのです。
これは、歯の奥深い部分に存在する神経線維(C線維)が反応していることを表しますので、深い部分に炎症が広がっていることをあらわすわけです。
よく間違えて治療がされている症例をみるのですが、特に痛みを強く訴える患者様の場合は、本当は歯茎からの痛みが原因であっても神経を取る治療がされていたり、顎からの痛みなのに根管治療がされていたりする場合があります。
とにかく、どんな治療よりも診断が大切で、きちんと診断ができてそれに対して正しく治療が行われていれば、治療した後に同じような痛みが残ることはありません。
根管治療の必要度も虫歯の治療必要度と同様に、病気になっている場合でも、今すぐに治療したほうが良い場合とあわてなくても大丈夫な場合があります。
根の先に病気が見つかった場合でも、多くのケースは痛みはありません。
そのような場合でも、必ず治療が必要な場合もありますし、例えばまだ治療して間もない歯であれば、すぐに治療が必要とされない場合もあります。
少なくとも、患者様に自覚症状があるような場合(痛みがある、膿がでている、違和感がある、噛むと痛い)は治療を行うことをお勧めします。
根管治療の方法は、大きく分けて3つあります。
1つは冠をはずして、土台を削り取って、根の中を清掃する方法、
もう1つは冠をはずさず、冠や土台に小さな穴を開けて、根の中を清掃する方法、
最後に、冠をはずさず、外科的に手術で治す方法があります。
それぞれ、良い点と難しい点がありますので、最初にどの治療方法を選択するのがベストかを説明します。
Step1.根管の診査・診断
必要がない抜髄を避ける為にも、現状の痛みは歯のどの部分の神経が反応しているのかを調べる「痛みのタイプ」の診査・診断を行います。
Step2.必要性の診断
根管治療の必要性の診断を行います。自覚症状がある方には治療を行うことが多いですが、少し様子を見ることで痛みが治まり治療しなくて済む場合もあります。
Step3.治療方法の選択
症状によって異なる根管治療の治療方法の中から、常に最適な方法をご提案致します。